研究室Q & A (平成19年度版)

研究室について良くある質問です。


Q:竹村研究室では何を研究しているの?
竹村研究室では、サンゴ礁に生息する魚類がこの海域の環境変動をどの様に認知し、規則的なリズムを刻んでいるのかを研究しています。すなわちサンゴ礁魚類の時間生物学(生物時計の研究)です。

 例えば、我々人間は外部環境から隔絶された恒暗条件で生活すると、体内時計だけの働きによってほぼ25時間のリズムを刻むようになります。このリズムを概日リズム(サーカディアンリズム)と言います。日常生活では毎朝光(外部環境として)を浴びることにより、時計を1時間遅らせて、24時間のリズムを示すようになります。

 竹村研究室では、サンゴ礁魚類の示す様々なリズム(日周性・月周性・年周性)を生理学的・分子生物学的に解明しようとしています。特に注目しているのは“月”に関係したリズムです。サンゴ礁に生息している魚の多くは月のリズムに同調した活動を示します。我々の研究室では、体内時計(概月時計・概潮汐時計)の存在を明らかにし、月が地球に及ぼすどの様な環境変化が体内時計の位相変化に影響を与えるのかについて研究を行っています。
 月周性を明らかにするためには日周性の成立機構も調べる必要があります。この点にも力を注いでいます。なお、最近は深海性魚類の光受容とリズムについても研究を行っています。

Q:研究室の学生達はどの様な研究をしているの?
 PD 守田昌哉:亜熱帯性魚類の精子運動開始機構(論文10)
 PD 朴 龍柱:メラトニン受容体遺伝子振動系と生物時計中心の特定(論文10)
 D3 二階堂良亮:概月性と概日性の機能的関連(論文1)
 D3 洲鎌 望:魚類の末梢時計の成立機構(論文1)
 M2 内村三幸:ミツボシキュウセンの脳内モノアミンの日周性及び潮汐性
 M2 中間千裕:イシモチ類の半月産卵周期
 M1 Jafor Bapary:ルリスズメの脳内光受容と光周性
 M1 柴田より子:人為飼育下におけるミツボシキュウセンの産卵誘導
 M1 竹内悠記:ゴマアイゴの脳内情伝達物質VIPのクローニング(論文1)
 M1 伊藤 瞳:ミツボシキュウセンの時計遺伝子と日周活動
 B4 前澤和子:ミツボシキュウセンの生殖腺刺激ホルモンの変化と潮汐性
 B4 重松真澄:サンゴ礁魚類数種の脳内モノアミンの潮汐性変動
 B4 榎本陽子:ミツボシキュウセンの卵発達と潮汐性
 B4 下山紗代子:深海魚類のメラトニン合成酵素遺伝子のクローニング

Q:学生は卒業後どうしているの?
 平成14年度
PD University of Texas at Austin でポスドク
D3 韓国済州道サイエンスパーク研究員
M2 ディポネゴロ大学(インドネシア)講師
M2 サモア水産局上級公務員
B4 専門学校(グラフィックアート)へ入学
B4 沖縄県水産試験場非常勤職員
B4 琉球大学大学院海洋自然科学専攻進学
 平成15年度
B4 専門学校(鍼灸)へ入学
 平成16年度
M2 琉球大学大学院海洋環境学専攻(博士後期課程)進学 2名
B4 琉球大学大学院海洋自然科学専攻進学 3名
B4 民間会社(携帯電話サービス)に入社
 平成17年度
M2 Michigan State University大学院博士課程進学
B4 製薬会社に就職
B4 沖縄県栽培漁業センター非常勤職員
B4 琉球大学大学院海洋自然科学専攻進学 2名
 平成18年度
M2 民間会社(再春館製薬など)に内定 3名
B4 琉球大学大学院海洋自然科学専攻進学 2名
B4 民間会社に入社 1名

Q:卒論はどの様に選ぶの?
 卒業研究を決定するときにはサンゴ礁のフィールド中心か実験室中心かを聞きます。その上で本人の興味を聞き、どの様な卒論ができるかについて話を詰めていきます。本人の意志を最大限尊重し、なおかつ研究室の方向性を加味しながら卒論でできそうなテーマを私からいくつか提示しその中で選んでいくようにしています。
 就職希望の場合は1年で完結するテーマを、また大学院進学希望の場合は将来的に発展しそうなテーマを提示するようにしています。いずれにしても研究で得られた結果は、国際学術雑誌に投稿することを最大目標にしています。卒業研究の結果はこれまでもたくさん国際学術雑誌に掲載されています(研究業績はホームページに掲載しています)。

Q:研究室に入るために何か準備は必要なの?
 予備知識は必要ありません。卒論は基本的には4年生の4月から開始します。それまでは様々な授業を積極的にとって、生物学的な知識を養うことに専念してもらっています。また、3年後期に私がキャンパスに行ったときに英語論文の輪読をしています。3年後期に時間がある人は瀬底実験所で毎週一回行っているセミナーに参加する場合もあります。多くの卒論生は月から金曜日まで瀬底に来て、実験所の宿泊施設で寝泊まりしています。もちろんアパートを借りている人もいます。

Q:研究室の詳しい情報はどの様に集めればいいの?
 研究室のすべての情報はホームページに掲載しています。
竹村研究室URL:
http://www.takemura-lab./

連絡先: 
e-mail: tilapia@lab.u-ryukyu.ac.jp
phone: 0980-47-6215